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それは「身体の変化」。ありていに言えば、性交渉時の体の反応の変化。
「主」としての立ち位置を得はじめた月華の身体は、明らかにノーマルな性交時における反応が「よりよい」と認識される方向に変わってしまった。特に何か変わるはずの要因も見当たらないので、変わり始めた頃は本当に不審がられた。「女は30から」という俗説通りなんだよということでお茶を濁したけれど、今までの中で正直一番のピンチだったと思う。
性交渉というのは、ある意味運動を習得するのと似ていると思う。
何回も回数を重ね、快感を得るトレーニングを重ねてようやく快感を得られる。AVにあるように、いきなり最初から感じまくるなんて嘘だ。
たとえば自転車に乗る時のように、何回も転びながらバランス感覚を養い、いつしか「乗る」という感覚を体得する。その瞬間から自転車に乗れるようになるわけで、その体得の瞬間が「乗ったそのとき」というきわめて運動神経に恵まれた人もいるかもしれないけれど、多くの人が転びつつ、だろう。それが多分普通だ。性交渉も似たようなものだ。
だけど、一部、どうしたって「自転車」に違和感を持ってしまう人たちがいる。そういう人たちが必死になって自転車を練習しても、なかなかうまくならない。乗れてもいつまでもよたついたりする。
月華の場合は、いつまでもふらふらしたままで他の人たちのようにすいすい乗り切れず、不思議な思いをしていたところ、ふいに「一輪車」というもっと特殊な乗り物を持ってこられ、自転車も乗れないのにこんなのもっと無理じゃん…と思いつつ乗ってみたら意外なほど簡単に乗りこなせてしまった、という感じだ。
そうして、自転車に戻ってみたらバランス感覚が養われていたおかげで、よたよたふらふらが直っていて、こちらもうまく乗れるようになっていた。
というのが、月華にとっての「SM」と「ノーマル」の関係性だ。
(もちろんノーマル=自転車、SM=一輪車)
これは…これだけは本当にどうしたもんかと思う。
昔、「キンツマ」が一世を風靡した頃、女性週刊誌には「女性の不倫は受身だから性交渉の仕方が変わって不審がられる恐れはない」という恐ろしい記事が載っていたけれど(まだ子供の癖に読んでいた月華も月華だけど)、今ははっきり、その記事に嘘だと言いたい。
なにがあってもこの関係はばらすまい、と思っているはずなのに、一番プリミティブな体の反応が自分を裏切るところが、当たり前のことなのかもしれないけれど少し苦しい。
とはいえ、本来的には月華は「うまく自転車を乗りこなすこと」が目的ではじめた放浪の末の今の状態なので、目的を達して万歳であることは確か。
ただ、時期を間違えてしまっているのだけれど…
「主」としての立ち位置を得はじめた月華の身体は、明らかにノーマルな性交時における反応が「よりよい」と認識される方向に変わってしまった。特に何か変わるはずの要因も見当たらないので、変わり始めた頃は本当に不審がられた。「女は30から」という俗説通りなんだよということでお茶を濁したけれど、今までの中で正直一番のピンチだったと思う。
性交渉というのは、ある意味運動を習得するのと似ていると思う。
何回も回数を重ね、快感を得るトレーニングを重ねてようやく快感を得られる。AVにあるように、いきなり最初から感じまくるなんて嘘だ。
たとえば自転車に乗る時のように、何回も転びながらバランス感覚を養い、いつしか「乗る」という感覚を体得する。その瞬間から自転車に乗れるようになるわけで、その体得の瞬間が「乗ったそのとき」というきわめて運動神経に恵まれた人もいるかもしれないけれど、多くの人が転びつつ、だろう。それが多分普通だ。性交渉も似たようなものだ。
だけど、一部、どうしたって「自転車」に違和感を持ってしまう人たちがいる。そういう人たちが必死になって自転車を練習しても、なかなかうまくならない。乗れてもいつまでもよたついたりする。
月華の場合は、いつまでもふらふらしたままで他の人たちのようにすいすい乗り切れず、不思議な思いをしていたところ、ふいに「一輪車」というもっと特殊な乗り物を持ってこられ、自転車も乗れないのにこんなのもっと無理じゃん…と思いつつ乗ってみたら意外なほど簡単に乗りこなせてしまった、という感じだ。
そうして、自転車に戻ってみたらバランス感覚が養われていたおかげで、よたよたふらふらが直っていて、こちらもうまく乗れるようになっていた。
というのが、月華にとっての「SM」と「ノーマル」の関係性だ。
(もちろんノーマル=自転車、SM=一輪車)
これは…これだけは本当にどうしたもんかと思う。
昔、「キンツマ」が一世を風靡した頃、女性週刊誌には「女性の不倫は受身だから性交渉の仕方が変わって不審がられる恐れはない」という恐ろしい記事が載っていたけれど(まだ子供の癖に読んでいた月華も月華だけど)、今ははっきり、その記事に嘘だと言いたい。
なにがあってもこの関係はばらすまい、と思っているはずなのに、一番プリミティブな体の反応が自分を裏切るところが、当たり前のことなのかもしれないけれど少し苦しい。
とはいえ、本来的には月華は「うまく自転車を乗りこなすこと」が目的ではじめた放浪の末の今の状態なので、目的を達して万歳であることは確か。
ただ、時期を間違えてしまっているのだけれど…
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