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後々の自分の進む方法を最初に示した、渡辺淳一氏の小説に描かれた「視点の転回」。
それがどうして月華にとって重要だったかと言えば、嗜好は完全にサディズムだけれども、肉体はノーマルだったから、なのかもしれない。
サディストマゾヒストとして完成された肉体、という定義は人によって様々だとは思うけれど、一つに「頭で達することができる=性器への直接刺激がなくともよい、ということがあげられるかもしれない。
もしくは、「達することがなくても嗜好によってもたらされるエクスタシーで満足できること」。
それがどうして月華にとって重要だったかと言えば、嗜好は完全にサディズムだけれども、肉体はノーマルだったから、なのかもしれない。
サディストマゾヒストとして完成された肉体、という定義は人によって様々だとは思うけれど、一つに「頭で達することができる=性器への直接刺激がなくともよい、ということがあげられるかもしれない。
もしくは、「達することがなくても嗜好によってもたらされるエクスタシーで満足できること」。
ところがあいにく、月華には「頭で達する」回路が存在しなかった。今でもまだ存在しない。
執事の口を月華の指で女の性器のように弄び犯すときに得られるエクスタシーは、男性からノーマルに与えられるどんな肉体のエクスタシーよりも強いけれど、それだけでは達することはできないのだ。
けれど、
男を弄ぶエクスタシーを得られないときには、ただ肉体への刺激があったとしても深く達することはできない。
わたしの性的困難の原因はここにあって、ノーマルな肉体への性的刺激と、男を弄ぶサディズム的エクスタシーがなければきちんと満足できないと言うねじ曲がった回路を持ってしまったことだった。
だからこそ、「通常の性交渉をしていても、視点を展開しさえすれば自分が上位に立つことができるのだ」という視点の転回がどうしても必要だった。そうでなければ、男性に性交渉を許すことができなかった。
そうして、必死になって自分をごまかしはするものの、このような視点の転回は一人で持っていても限度がある。
やはり、男性は性交渉を行えば「女性を屈服させたもの」と思い勝ち、というか無意識のうちにそう振舞うし、そこが月華には我慢ができなかった。どんなに努力しても(相手がいる話だから当たり前だ)このギャップを埋めることができず、自分は性的には落伍者なのかもしれない、と諦めたときに執事との出会いがあった。
もちろん、執事とは最初からこの「視界の転回」というファンタジーを共有できたわけではない。
何年も掛け、途中の中断もあり、さまざまないさかいを超えて、今ようやく「客観的にどう見えようと、どんなときでも月華が主。上。」という世界にたどり着けた。
本来的にはS女性としての典型から外れているのに、Sとしての嗜好、女の本能の欲求、その二つを満たしてくれる相手にめぐり合えたことは望外の幸せなのだと思う。
10歳ぐらいの、嗜好のことなど分からない時代にふれたシーンが、今になって結実しておいしい果実を味あわせてくれることがある。
何がめぐりめぐって何に結実するか、分からないものだ。
執事の口を月華の指で女の性器のように弄び犯すときに得られるエクスタシーは、男性からノーマルに与えられるどんな肉体のエクスタシーよりも強いけれど、それだけでは達することはできないのだ。
けれど、
男を弄ぶエクスタシーを得られないときには、ただ肉体への刺激があったとしても深く達することはできない。
わたしの性的困難の原因はここにあって、ノーマルな肉体への性的刺激と、男を弄ぶサディズム的エクスタシーがなければきちんと満足できないと言うねじ曲がった回路を持ってしまったことだった。
だからこそ、「通常の性交渉をしていても、視点を展開しさえすれば自分が上位に立つことができるのだ」という視点の転回がどうしても必要だった。そうでなければ、男性に性交渉を許すことができなかった。
そうして、必死になって自分をごまかしはするものの、このような視点の転回は一人で持っていても限度がある。
やはり、男性は性交渉を行えば「女性を屈服させたもの」と思い勝ち、というか無意識のうちにそう振舞うし、そこが月華には我慢ができなかった。どんなに努力しても(相手がいる話だから当たり前だ)このギャップを埋めることができず、自分は性的には落伍者なのかもしれない、と諦めたときに執事との出会いがあった。
もちろん、執事とは最初からこの「視界の転回」というファンタジーを共有できたわけではない。
何年も掛け、途中の中断もあり、さまざまないさかいを超えて、今ようやく「客観的にどう見えようと、どんなときでも月華が主。上。」という世界にたどり着けた。
本来的にはS女性としての典型から外れているのに、Sとしての嗜好、女の本能の欲求、その二つを満たしてくれる相手にめぐり合えたことは望外の幸せなのだと思う。
10歳ぐらいの、嗜好のことなど分からない時代にふれたシーンが、今になって結実しておいしい果実を味あわせてくれることがある。
何がめぐりめぐって何に結実するか、分からないものだ。
読んでくださってありがとうございます。
ご意見がありましたらどうぞ。
ご意見がありましたらどうぞ。
こんばんは。月華さん。
>男を弄ぶエクスタシーを得られないときには、ただ肉体への刺激があったとしても深く達することはできない。
この文章の「男」を「女」に換えれば、私にも全く当てはまります。
私の場合は、体がイク(射精する)事の優先順位はかなり低いです。(笑)まずはS心を満たす事。
なるほど女性のほうには、セックスする=屈服するという印象が、どうしても付きまとってしまうのですね。そこに至るまでは、多分、女性の側が男を選ぶ(上に乗る事を許す)という過程があるのに不思議ですね。
私達の現状は、お互い、「囚われる」「執着する」という関係のようです。
SM行為以外の人間関係においては主従なんて意識はありません。しかし、ひとたびSMで括れば、圧倒的な支配関係、私が上です。その圧倒的なゆえに、他には得がたく、だから、囚われ、執着してしまいます。
(追伸)
パートナーのプラタナスもこちらにお邪魔している様子。そのうちコメントをさせていただくかもしれません。よろしくお願いします。
>男を弄ぶエクスタシーを得られないときには、ただ肉体への刺激があったとしても深く達することはできない。
この文章の「男」を「女」に換えれば、私にも全く当てはまります。
私の場合は、体がイク(射精する)事の優先順位はかなり低いです。(笑)まずはS心を満たす事。
なるほど女性のほうには、セックスする=屈服するという印象が、どうしても付きまとってしまうのですね。そこに至るまでは、多分、女性の側が男を選ぶ(上に乗る事を許す)という過程があるのに不思議ですね。
私達の現状は、お互い、「囚われる」「執着する」という関係のようです。
SM行為以外の人間関係においては主従なんて意識はありません。しかし、ひとたびSMで括れば、圧倒的な支配関係、私が上です。その圧倒的なゆえに、他には得がたく、だから、囚われ、執着してしまいます。
(追伸)
パートナーのプラタナスもこちらにお邪魔している様子。そのうちコメントをさせていただくかもしれません。よろしくお願いします。
>まずはS心を満たす事。
とは、やはり女ゆえに公言しにくいです。
性交渉を持つ、相手に屈服する、受身であることが美徳。
なんとなーくですが、暗黙の了解でそう思っている方が多いので。(単に月華がそういう相手にたまたまあたっただけなのかもしれませんが)
屈服したくはないけれど肉体の快楽は欲しい、弄ぶエクスタシーがなければ深く達せない。という月華にとって、この条件をすべて満たしてくれる執事に出会えたのはものすごい幸運です。
ゆえに、どんな形でも彼と離れたくない…これを執着と言うのならそうなのかもしれません。
とは、やはり女ゆえに公言しにくいです。
性交渉を持つ、相手に屈服する、受身であることが美徳。
なんとなーくですが、暗黙の了解でそう思っている方が多いので。(単に月華がそういう相手にたまたまあたっただけなのかもしれませんが)
屈服したくはないけれど肉体の快楽は欲しい、弄ぶエクスタシーがなければ深く達せない。という月華にとって、この条件をすべて満たしてくれる執事に出会えたのはものすごい幸運です。
ゆえに、どんな形でも彼と離れたくない…これを執着と言うのならそうなのかもしれません。
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