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たとえば、
高給取りでなくてもいけれど、専業主婦になってもゆとりのある稼ぎのある男性と結婚し、掃除の行き届いたこざっぱりとしたしつらえの家に住む。
毎朝夫と子供たちを送り出したらゆっくりと掃除や洗濯などの家事を片付け、趣味を楽しむ。
午後になったら、子供たちのためにおやつを手作りしよう。かたわらに自分の贅沢分とちょっとした貯金用の小金を稼ぐ手段を持ち、家族で囲む夕食は毎日手の込んだものをのせる。
それが、思春期のころに夢に描いた自分の理想像だった。
世間を知らない贅沢すぎる部分が多々あるけれど、これでも平たく言えばバブル時代初期の庶民が夢として描く平均的家族像だと思う。
つまり、わたしは「他のみなと同じまっとうな」道を歩み続けることを切望していた。
どこでどう道を間違ったのだろう。
少しずつ時間を逆戻しにたどってみても、それはメビウスの輪のようにいつの間にか裏側を見せはするけれど、裏に反転したその瞬間をしかとは見せてくれない。
それは執事と出会ったあの瞬間ですら、そのポイントではないように思う。
きっかけがない、ということはつまりこういう道を歩いたのは、自分に決められた運命のような気もする。
高給取りでなくてもいけれど、専業主婦になってもゆとりのある稼ぎのある男性と結婚し、掃除の行き届いたこざっぱりとしたしつらえの家に住む。
毎朝夫と子供たちを送り出したらゆっくりと掃除や洗濯などの家事を片付け、趣味を楽しむ。
午後になったら、子供たちのためにおやつを手作りしよう。かたわらに自分の贅沢分とちょっとした貯金用の小金を稼ぐ手段を持ち、家族で囲む夕食は毎日手の込んだものをのせる。
それが、思春期のころに夢に描いた自分の理想像だった。
世間を知らない贅沢すぎる部分が多々あるけれど、これでも平たく言えばバブル時代初期の庶民が夢として描く平均的家族像だと思う。
つまり、わたしは「他のみなと同じまっとうな」道を歩み続けることを切望していた。
どこでどう道を間違ったのだろう。
少しずつ時間を逆戻しにたどってみても、それはメビウスの輪のようにいつの間にか裏側を見せはするけれど、裏に反転したその瞬間をしかとは見せてくれない。
それは執事と出会ったあの瞬間ですら、そのポイントではないように思う。
きっかけがない、ということはつまりこういう道を歩いたのは、自分に決められた運命のような気もする。
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